カカオ(平成30年2月号)

人類が初めてカカオを口にしたのは、 約4000年前のことと云われています。古代メソアメリカ(メキシコおよび中央アメリカ北西部)での栽培がはじまりとされ、たくさんの実をつけるカカオは豊穣の象徴として神々にも捧げられました。日本にチョコレートが伝えられたのは江戸時代のこと。1797年、長崎円山町の遊女の買い品目録に「しょくらあと六つ」の記載が残されており、出島に暮らすオランダ商人からもらったものだと考えられています。1877年(明治10年)、日本で初めてチョコレートの加工、製造販売を始めたのが東京・両国の米津風月堂(現在の東京風月堂)です。西洋文化が次々にもたらされた明治時代において、チョコレートも文明開化のシンボルの一つで、ここから日本のチョコレートの歴史が歩み始めることになりました。甘くて美味しいチョコレート。でも、注目すべきはカカオの優れた薬効成分です。メソアメリカの人々は、さまざまな薬草とカカオを組み合わせては、歯痛、炎症、強壮、解熱などの治療に用いたとされています。カカオに含まれる成分でよく知られているのが抗酸化作用(老化防止)のあるポリフェノールですが、その他にもカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ミネラル分や食物繊維も豊富で、心臓病、感染症、冷え症、便秘、リラックス効果など、カカオは心身の健康を支えてくれます。

 

 

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フクジュソウ(平成30年1月号)

フクジュソウ(福寿草)は、日本、朝鮮半島、中国東北部などに自生するキンポウゲ科の植物。厳しい寒さの中で咲く、黄金色の花を小判に見立て、また、長く花を咲かせることから、福と寿命の意味を含めて「福寿草」と名付けられたといいます。別名、元旦草(がんたんそう)、朔日草(ついたちそう)とも呼ばれます。江戸時代から福寿草はめでたい花とされ、現代でも梅や松、南天などとともに寄せ植えなどにされるお正月を祝う縁起物です。また、飾りとされるだけでなく、福寿草の根は福寿草根(ふくじゅそうこん)という生薬で、強心、利尿を目的に用いられます、しかし、民間薬とするには全草にステロイド強心配糖体シマリンやアドニリドを含む劇薬なので、誤飲すると嘔吐・痙攣・呼吸麻痺などの中毒症状が出るため扱いには注意を要します。寒さにふるえながら、春を待ちわびたいにしえの人々。凍土の中で年を越し、開花の時をじっと待つこの花に、どれだけ勇気と希望をもらったことか…。

 

 

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