シロガラシ(平成30年3月号)

春、田畑に広がる黄色の花畑。その花々を見てなんとなく犧擇硫”と呼んだりもしますが、菜の花はアブラナ属アブラナ科植物の総称で、アブラナやカラシナ、シロガラシ、キャベツなどたくさんの種類があります。その中でもシロガラシはタネを生薬、白芥子/ビャクガイシといい、健胃や鎮咳、去痰などに利用します。また、粉末にし、湯で練ったものを消炎薬として貼り薬にすることも。しかし、私たちになじみ深いのはこのタネを酢漬けにし、塩と砂糖で味を調えたマスタード。さわやかな酸味とほのかな辛みで肉や魚の味を引き立たせるだけでなく、タネと 酢の効果により消化促進も期待でき ます。じつはシロガラシのタネは今 が蒔きどき。6月頃にはタネが収穫 できるので、育てるところから、 マスタード作りに挑戦してみては?
生薬名/薬用部位 白芥子/種子 薬効 健胃・鎮咳・去痰・消炎

アネモネ(平成30年2月号)

2月に入るころから花屋で見かけるアネモネの花。赤、ピンク、白。藍色や紫と、とりどりの色を目にすると、春の近づきを感じます。アネモネの花は風が吹くときにしか咲かないという言い伝えがあり、属名のAnemoneはギリシャ語のanemos(風)に由来するもの。地中海沿岸のヨーロッパ原産で、古代のギリシャやローマでは、アネモネは花冠をつくるための花として知られていました。また、手折った時に出る汁液に触れると、炎症や水疱などを起こす毒草でもあります。古い書物には薬草として紹介されていることもありますが、効能は 定かではありません。 中世のイタリアでは、十字軍の遠征で戦死した 兵士を弔うため、聖地の土が持ち帰られました。 彼らの亡骸を葬ったその土からは赤いアネモネ が芽生え、その花を「キリストの血」になぞら えたことから、ヨーロッパ各地に広がって いったのだそうです。神話や聖書にも多く 登場するアネモネ。その花には、いろいろ な物語が隠されているようです。
有毒成分:汁液 毒性
作用:局所刺激(発赤・発疱・化膿)