ワサビ(平成28年3月号)

深い緑の山の奥、清水の湧き流れる谷間に自生するワサビ。料理の味を引き立てる辛さと香りで、日本食には欠かせない薬味の一つ です。栽培方法は大きく分けて2つ。浅瀬で栽培する「水ワサビ(沢ワサビ)」、もう一つは、普通の野菜と同じように土で育てる 「畑ワサビ(丘ワサビ)」。これらは栽培地が違うだけで、植物学上は全く同じです。  棄てるところが少なく、根茎を細かにすりおろせば刺身や寿司の香辛料に、葉や茎もおひたしや和え物、漬物に。根茎には薬効もあり、生薬名は山葵根(さんきこん)。すりおろしたものを貼りぐすりとすれば、リウマチ、神経痛に効果があります。 せせらぎの中、ゆっくりと1年を掛けて育つワビの源は、いにしえより湧く美しい水。この清らかな流れが育む山葵田(わさびだ)が、いつまでも失わ れることのないように―。