ジンチョウゲ(平成28年3月号)

生薬名:瑞香花/ずいこうか   薬用部:花  用途:鎮痛・消炎 
ツンと冷たい空気の中に混じり始めた春を告げる香り。凛として甘く、上品なその香りはジンチョウゲの花。その名は香りが「沈香/じんこう」に、花の姿がスパイスのクローブとして知られる「丁字/ちょうじ」に似ていることから、名付けられたと言い、「和漢三才図絵/わかんさんさいずえ(1713年)」では、「其香烈しく 沈香丁香/じんこうちょうこう 相兼る故に、俗に沈丁花と曰う」と紹介されています。秋に咲くキンモクセイと同じようにそれはまさに季節の香り。その芳しい花を摘みとるのは惜しいことですが、花を乾燥させ煎じればくすりに。消炎や鎮痛の効能があるので、喉が痛む時に煎液でうがいをすると良いとか。
ジンチョウゲの命は30年。それは長いのか、短いのか…。けれども、限られた命だからこそ、あんなにも美しく、芳しく咲くのかもしれません。