シモツケ(平成28年6月号)

茎や葉が染料となるシモツケ。しもつけ(下野)とは、下野国(しもつけのくに) のことで、古く栃木県の名です。 発見されたのが下野だったことにちなみ名付けられたといいます。 シモツケの花が咲くのは梅雨入りの頃から夏の盛りまで。群がり咲く薄紅色の小さな花は甘い香りを放ち、秋には茜色に染まります。  新芽は食べることができ、古くからの伝承療法では、関節の痛み、頭痛、皮膚炎には根っこ、リウマチには 葉や花が用いられてきました。「繍線菊(しもつけ)」とも表されるのは、中国は戦国時代の繍線(しゅうせ ん)という孝行娘の話から。敵に捕らわれ牢獄につながれた父を救うため、男と偽り苦労の末に牢屋の番人 となった繍線。しかし、既に父は死して土に還り、繍線はお墓のそばに咲いていた花を摘み、故郷へと。人々はその花が咲く度、少女を思い出し、繍線と呼ぶようになったといいます。薄紅の花から伝わる強さとあたたかさ、それは少女の無償の愛。