リュウノウギク(平成28年12月号)

冬支度を始めた野山に香るリュウノウギク。華やかな花ではないけれど、古くより愛しまれてきた野の花です。同じ頃に咲く野菊の中で、近づいた時に鼻の通るような清涼感、そして、葉を揉むとお線香のような香りがしたら、それがリュウノウギクです。名前は熱帯アジアに育つ龍脳樹、その樹脂と似た香りがすることに由来しています。
全草に薬効があり、花が咲いたら収穫の時。乾燥させた茎や葉を入浴に用いると、冷え性、腰痛、神経痛などが和らぎます。
平安時代に大陸より伝えられたその姿と香り。色味の少ない冬の日に、彩りと温かみを添えてくれる白い花。風に揺れるたび、ふんわり品のある香りが漂います…。