益軒によって著された本草書、「大和本草( 1 7 0 9 年・宝永7 年 刊行)」に記載されている「菘(な)」。 その本の中で、「菘」は「カブの仲間で茎が長く、葉や茎は淡緑色、根は白色でスズシロ(ダイコン)よりも味が良い」と説明されています。コマツナ(小松菜)もその一つで、大和本草には「葛西菜(カサイナ)」の名で登場します。 葛西とはコマツナを栽培していた地名で、今の東京都江戸川区辺り。 鷹狩りで近くの小松川という村を訪れていた将軍が、葛西で食べた「菘」の味に感動し、コマツナと名付けたという話が残されています。コマツナの旬は、1、2月。葉、茎、根の全てを食用にでき、鉄分やカルシウム、葉酸などを多く含み、骨を強くし、骨粗鬆症を予防する効果があるとされています。 アクが少ないので、おひたしや汁物の具、炒めものなど、さまざまな料理に。ほろ苦いその味わいは、摘み立ての春の味―。
くすり博物館だより
中冨記念くすり博物館では、毎月、「中冨記念くすり博物館だより」を発行しています(2018年4月号より「薬木薬草園通信」は「中冨記念くすり博物館だより」と合同発行となりました)。
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