オドリコソウ(平成29年4月号)

春の雨に誘われるように、咲き始めたオドリコソウ。山野だけでなく、道ばたにも生え、長い地下茎で広がり群落をつくります。
節に輪状に咲く花の色は白、黄、薄桃と、どの色もやわらか。下の葉ほど葉柄が長いのは、下の葉が陰にならないように上の葉が生えるからで、全ての葉に陽が当たる仕組みになっています。そして、花のかたちは、まるで花笠をかぶった踊り子のよう。その姿に由来して、オドリコソウと名付けられました。4、5月に摘み取る若芽や若葉は天ぷらや和え物、おひたしなどに、花も軽く茹でて酢の物にして食べられます。お風呂や治療に用いるためには、花が咲いた頃、全草を採取します。乾燥させたものを入浴剤とすれば痛が和らぎ、腰痛や打撲傷には全草を濃く煎じた液を湿布に用います。花笠をかぶり、輪になってあでやかに踊る娘たち。生え群れる踊り子たちの姿を見つめていると、笛や太鼓の音も聞こえてくるような―