シュンギク(平成29年5月号)

似た花を咲かせるシュンギク。特徴は鼻に抜ける強い香りと食べた時の苦味。原産地はイタリアやトルコなどの地中海沿岸地方で、日本に伝わったのは15世紀の終わり頃とされています。既に江戸時代には野菜として栽培されていたことは、宮崎安貞(みやざきやすさだ) と貝原益軒(かいばらえきけん)が編纂した「農業全書」よりうかがい知ることができます。アジアでも一部の地域のみで食べられ、西洋では食材としてあまり好まれません。しかし、栄養価が高く、カルシウムは牛乳以上。豊富なミネラル類は貧血や骨粗しょう症を予防し、香り成分は自律神経に作用することで、食欲や消化吸収を促します。さらに、咳を鎮める効果もあり、喉の風邪をこじらせた時にはシュンギクの煎じ汁を飲むとよいそうです。健康維持に有効な成分がたくさん含まれているシュンギク。春から夏への移ろいを知らせてくれるあの独特の香りにも癒しの力が―。