カノコソウ(平成29年6月号)

茎の上部が枝分かれして散房状に多数の花を咲かせるカノコソウ。 
少し湿った山地に生育し、花色は白や薄紅で、素朴でありながら上品さも兼ね揃えています。幕末の植物学者、飯沼慾斎(いいぬまよくさい)が著した「草木図説 / そうもくずせつ / 1856年刊行」には、「カノコソウ、名ハルオミナエシ。伊吹山中多く自生す」と記され、今でも伊吹山(滋賀県米原市)の頂から岐阜県側に下る付近に、たくさんのカノコソウを見ることができます。秋になり地上部が枯れたら生薬となる根茎、吉草根の採取の時季。掘り取った根は、ひげ根をより分け、水洗いして天日で干してから用います。ストレスや神経系の興奮を抑える効き目があります。精油を含み、特有のくせのある香りがする吉草根。μこの芳香をよい香りと感じたら、情緒が不安定になっているかもしれないのだとか…。眠れなかったり、不安に感じりした時、カノコソウが力を貸してくれそうです。