センニンソウ(平成29年10月号)

夏が終わったことを告げてくれるセンニンソウ。林や草地の日当たりの良い場所で、樹木などに蔓を絡ませた姿を見ることができます。センニンソウの名は、果実に生える綿毛を仙人の髭に見立てたもの。センニンソウの細い根は「威霊仙(イレイセン)」という生薬で、痛み止めや扁桃腺炎の症状を和らげます。民間療法として伝えられているのは、生葉を擂り潰して片方の手首の内側に貼れば扁桃腺炎が治まるという、ちょっと不思議な用い方です。「仙人」という名前の印象から、不老不死や長寿の効果が期待できる薬草だと思われがちですが、毒性があるため馬も食べないとされ、ウマクワズ(馬食わず)と呼ばれてしまうほど。人の痛みを癒す力に、毒も有するセンニンソウ。樹木に覆い被さるまでに蔓を伸ばすのは、仙人のような威霊の力を蓄えようとしているのかもしれません。