カタクリ(平成30年1月号)

 

雪融けとともに茎葉を伸ばし、薄紫や桃色の花を咲かせるカタクリ(片栗)。開花期間は2週間ほどで、春の終わりには姿を消してしまうことから「スプリングエフェメラル(春の妖精)」と呼ばれています。カタクリの名はクリの子葉(果実)の1片に似ていることからつけられました。片栗粉とはカタクリの鱗茎をすり潰し、水にさらして取り出したでん粉のことをいい、くすりとしてすり傷やできもの、湿疹に外用したり、下痢や胃腸炎、滋養のくすりとして湯に溶き内服したり、錠剤・丸剤の賦形剤としても利用されています。ただし、現在、市販されている片栗粉のほとんどはジャガイモなどのイモ類から加工されたものです。 九州では熊本県のみに分布し、絶滅の恐れがあることから天然記念物に指定されている群生地や、人工的に殖やされ 観光名所となっているところもあります。 今年の春も、次の春も―――。妖精たちが 目を覚ますことができますように。
薬用部:鱗茎
薬 効:(外)すり傷・できもの・湿疹 (内)下痢・滋養